タイ東北部のルーイ県で開催されるピーターコーンフェスティバル。ピチェ・クランチェン・ダンス・カンパニーの『Dancing with Death』は、その伝統的な祭りをヒントに制作されたという。仏教の説話を元に、厄払い、ご利益を得る祭りらしい。また、雨乞いの意味もあるという。「ピー」は霊、「ター」は目、「コーン」は仮面劇という意味。奇妙な仮面を纏った人々によるパレードだ。会場に入ると、早くもピーターコーンの獅子舞のようなものが出迎えてくれている。なんだかそれは、いていいのかわるいのか、みえているのかいないのか、わからない存在のような佇まいだ。ステージには、まるでメビウスの輪を思わせる楕円状の装置。この上に上がる行為がひとつのイニシエーションのようであった。ちょうどトルコの旋回舞踊のはじまり、旋回する前に黒い装束を脱ぎ、白くなり、肩をさわられて旋回していく様子に似ていた。
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