2009年2月24日火曜日

はじまることのない禅問答

九州大学の藤枝守教授の招きで福岡に行ってきた。
ちょうどイムズというデパートの8階で、「生態系を聴取する」というサウンドアートのイベントをやっていて、
イムズの屋上に設置した風で音が鳴るエオリアンハープと共演するとのことだった。
ただ、その日は生憎の雨、風は微風で、鳴る気配がないそうなので、CDを用意するとのこと。
会場入口には、蘭がディスプレイされていて、その電流を音に変換していた。
しかし、そこはデパートにつながる場所。ずいぶん外の喧騒が聞こえる。
中央の部屋では、珪藻土を水槽に入れ、空気の音を4面のスピーカーで再生していた。
いにしえの空気が水面に現れている。
奥の部屋は、オーストラリアの作家によるエオリアンハープの演奏が流れていた。
藤枝さんのアイデアで、ぼくは一番奥の部屋から登場し、ホーメイをはじめた。
会場自体に響きがなく、なかなかハードな環境だ。
共演といっても、流れる音はぼくの干渉を受ける様子はほとんどぼない。
しかもたくさんの人が集まった。冬でもあるし音が吸われている。
もう面白い顔だけで、やるしかないような環境である。
でもそこは押さえて、気持ちよさをはずさないように心かけた。
いつもならすぐ脱線するのだが、ほとんど聞こえないエオリアンハープと対峙した。
はじまることのない禅問答のような演奏になっていたかも知れない。

そして次の日は九州大学大橋キャンパスでワークショップ。
こちらはたっぶり4時間もやったのだけど、みんな満足してくれただろうか。
ぼくはこれですぐ福岡を後にするのはどこか物足りなかった。
福岡に早く、ヒカシューで来たいなぁ。
なかなか実現しないものだ。

2009年2月9日月曜日

北千住の裸体、初午の三段重ね

北千住でカナダのカンパニーによるダンスを観た。
だいたいウイリアム・フォーサイスでさえ好みでない自分に
このようなダンス鑑賞は向いてないのだが、
新しいTheater1010という劇場に興味があったので
のこのこと出かけた。
ダンサーは、ニップレスのようなものとパンツ以外は裸体で、
人間以前のサルのような状態を演じていたが、
それはオルフェウスとエウリディケであったらしい。
神話を戯画化していたのだろうが、
心の中でギリシャ神話のなじみなさを知った。
ダンスにおけるフォルムを楽しむには、いかに動くかが
大切であるか。
結局、演出家の教養の限界を感じるに至った。
つまりなかなか楽しみ方がむずかしいものであった。

足早に劇場を後にして、
湯河原で行なわれている初午のイベントに途中参加した。
これは「湯河原をあそべ実行委員会」のエルルカンの伊東シェフ、石葉の小松さん、
そして阿しか里の柏木さんによる企画で、
まず五所神社でジャズをお囃子にして、阿しか里で三河万歳をみながら
三段重ね弁当をいただくというもの。
ジャズ(sax trioだったようだ)には間に合わなかったが、お弁当には間に合った。



三河万歳は、
小沢昭一の本で知っているだけなので、
実に勉強になった。
写真は、旅館「阿しか里」のBlogからの引用である。


幸田の三河万歳

宴も佳境。フレンチレストランのエルルカンの伊東さんから
ランチのプレゼントを1カップルにしてくれるという。
そこで司会の人とのじゃんけん勝ち抜き戦とあいなった。
約70名の参加者の中、
幸運にも、この日じゃんけんの読みがすべて当たって
ぼくはランチプレゼントを見事勝ち取った。

伊東さんのところの料理はかなりおいしいので
また楽しみが増えた。
いまや湯河原で2軒もやっているのが驚きだ。
エルルカンビスとアンリエルルカン
東京や遠くからグルメが食べに来る貴重なレストランである。

2009年2月1日日曜日

シアンクレールに思案なし音にノボセル子供かな


昨日は、富士吉田のシアンクレールという
小さなスペースでのソロの演奏会だった。
リハーサルの後、手作りの吉田のうどん馬肉入りをいただき、
精もついたところでの本番は、口琴、声、セリエテルート、テルミン
と続き、サンプリングとエフェクトでちょっとばかし時間を歪めると
家族連れの子供がのぼせてしまった。
そういえば最前メールで息子から鼻血がでてるとあったので、
実はこの日の気候のせいなのかもしれない。

次の日、朝起きると窓の向こうに素晴らしい富士の姿大きく。